こんにちは。
自死遺族専門カウンセラーの向井はじめです。
自死遺族の方と関わる中で気がつくこと。それは「罪悪感」という名の後悔です。
「なぜ助けることができなかったのか?」
「あのとき、ああしていれば、こうしていれば、助かったのではないか?」
「死んで謝りたい。」
「でも同じような苦しみを周りに与えたくない。」
遺族はこの問答が延々と続きます。
今回は、罪悪感ということをテーマにお話していきます。
罪悪感とは何か?
罪悪感とは、文字通り罪の意識です。
「すべては自分が悪い。」と思い込み、罪を償わなければいけないという感情のことを言います。
なぜ、罪悪感が生まれるかというと、自分の中のルールに『違反』してしまったからです。
例えば、
・人を傷つけてはいけない
・人に迷惑をかけてはいけない
・嘘をついてはいけない
このように、自分の中のルールを自分で破ったときに、罪悪感は生まれるのです。
自死遺族の罪悪感
自死で身内を亡くすと
「なぜ助けることができなかったのか?」
「あのとき、ああしていれば、こうしていれば、助かったのではないか?」
と思い悩むことがあります。
何故かと言うと、一般的には自殺は不幸な出来事とされているからです。
そして
「つながりの深い人は幸せでなければいけない」という自分のルールに反しているからです。
それができなかったと思うがゆえに罪悪感に苛まれているのです。
幸せとは何か?
では、幸せとはなんなのでしょうか?
それは、私が誰かを定義できたとき、つまり、
「私にはどんな価値があるのか、そして確かに価値があると思えるその瞬間」
のことなのでしょう。
その価値は自分でつくるしかありません。
罪悪感を手放すには?
罪悪感を手放すには、”補償”という行為が必要です。
「やったことは取り返しがつかない。」そう思われるかもしれませんが、「同じくらいのことを同じくらいのことで返す」ことで、罪悪感を手放すことができるようになります。
僕は、死んでしまった人よりも、生きているあなたの方が大事だと思っています。
よく「100パーセントの気持ちで死にたかった人なんていない」とおっしゃれれる方がいます。
確かにそうです。僕自身もそう思います。
なぜならその人はその人自身価値がないと思い込んでしまったのですからだから。
「なぜあなたには価値があるとその人自身に伝われなかったのか?」
それができなかった悔しさをバネに
「他の誰かにあなたは価値があると伝わるような存在であり続けること」こそが、残された遺族にとっての生き方だと僕は思っています。
1 Comment
ゆみ · 2017年11月2日 at 8:15 AM
私は母を自死で亡くしました。仕事を定年退職してから、保険代が高いわぁーと言いだし、元気がなくなってきてたのに、うつになってたなんて気づかずに、母は1人で孤独と戦って苦しんでいたのに、自分の事に精一杯の私は優しい言葉どころか、傷つけてしまったかもしれない。会いたい、謝りたい後悔と罪悪感で押しつぶされそうです。母さんごめんなさい。