こんにちは
自死遺族専門カウンセラーの向井はじめです。
あなたには、自分の中でダメだと思う気持ちがあるでしょうか?
「仕事ができない」
「自分はお金がない」
「人間関係を上手く築けない」
人間は、完璧ではありません。
このように、自分ができていないことを、誰かに比べて劣っていると感じることは、生きていると、多々あるように思います。
確かに、劣等感を持っていると、苦しいものがあります。
ですが、劣等感は生きている限り誰でも持っているものです。
アドラー心理学では、「劣等感があるから人は頑張れる」と言います。
今回は、アドラー心理学に学ぶ、劣等感の上手な使い方について学んでいきます。
優越性の追求
劣等感があるからこそ、人は頑張れます。
「仕事をできるように頑張ろう。」
「何とかお金を稼いでやろう。」
「人間関係を築いてやろう。」
と反発する気持ちで前にすすめることができます。
これを『優越性の追求』と言います。
僕たちは、誰しもがこの劣等感を持っています。
なぜなら、人は関係性で成り立っているからです。
誰かと誰かの比較の中でしか、自分のアイデンティティを定義できないからです。
人間は完璧ではありません。
劣等感は、一般的にはあまりよくないものとされがちですが、この劣等感があるからこそ、人は課題を乗り越えることができるのです。
劣等感、劣等生、劣等コンプレックスの違い
このようにアドラー心理学では、劣等感=自分を成長させてくれるパワーの源として捉えています。
では、劣等感を持つことはなぜ苦しいのでしょうか?
それは、劣等感を複雑に考えてしまうからなのです。
アドラー心理学では、劣等感を次のように分けて考えます。
劣等感:こうありたいと思う目標と現実のギャップに直面したときに行動を変えようとするエネルギー源になる感情
劣等性:体の器官が客観的に見ても劣等である事実(例:身長が低いなど)
劣等コンプレックス:劣等感を行動で解消することをあきらめた歪んだ心
劣等性は、もはや自分が影響できない範囲なので、そこは課題にする必要はないと考えます。
コンプレックスとは、感情が、複雑に絡まった糸のような状態になっているのです。
だからこそ、出口が見えないような気がして、苦しんでしまうのです。
劣等コンプレックスとは
劣等コンプレックスには大きく分けて3つあります。
攻撃
例えば、「私の家族は他の家族と比べて不幸せ」だと劣等感がある人は、
「どうせ、裏では悪いことしてるんでしょ。」
とこのように嫉妬したり、悪く言ったりします。
優越コンプレックス
優越コンプレックスとは、簡単に言うと、「自慢」のことです。
「私はこんなにいい会社に入った。」
「私は女性にモテモテで困る。」
本当は、仕事ができない、女性に相手にされていないのに過去の栄光にすがり、劣等感から目をそらすことができます。
不幸のアピール
劣等感をあえて口にすることで「気にしていない」と自分を装うことを不幸のアピールと言います。
「私ってほんとにグズでさ」
「失敗続きで嫌になる」
このように、発言すると、全ての人ではないですが、聞いた相手が、
「そんなことないよ。大丈夫。」
「そんなに大変なのに頑張ってきたんだね。」
と言われれば、少しは劣等感も安らぎます。
不完全さを認める勇気を持つ
しかし、人は完全ではありません。
そして、人はそれぞれ違います。
だからこそ、助け合い生きているのではないでしょうか?
全てを自分一人でしようとするのではなく、まずは自分の不完全さを認め、その上で、劣等感のエネルギーを上手く行動エネルギーに転換しながら課題を乗り越えていくことが大事なように思います。