こんにちは。
自死遺族専門カウンセラーの向井はじめです。
身内を自殺で亡くすと「そばにいて何で気付いてあげられなかったんだ。」と残された遺族に対して言葉をかける方がいます。
もちろん悪気はないのでしょうが、遺族の中には不安になってしまう方もいます。
そこで今回は、「自殺に対する偏見の目が気になって不安になるときに考える2つのコト」というテーマでお話します。
そばにいて気づいていても何もできないこともある
自殺で亡くなる多くの方は、精神を患っている方がほとんどです。そして、遺族は何年もの間看病をしていることがあります。精神的な病ですので、看病の中で、ときにイライラや憤りを感じたこともあったかもしれません。
その自分自身のイライラや憤りがきっかけで死に至ったと、残された遺族の中にはそう思う人がいます。
ですが、そんな方に声を大にして言いたいことがあります。
もし、あなたの大切な友人があなたが経験したことと同じような状況だったとしたら、あなたはその友人になんて声をかけるでしょうか?
「あなたのせいではありません。」
そばにいて気づいていても人間にはできないこともあります。
仮にそばにいて気づいてその瞬間の彼あるいは彼女を救うことができたとしても、本人が死を強く望んでいる場合、いずれ、また繰り返します。
罪悪感の罠にはまらない
悲しみから立ち直る過程の中で、ご自身を責めることはもしかしたら大事なことかもしれません。
なぜなら、責めるのは、もう二度と同じ過ちを繰り返さないようにと思うことだからです。
ですが、罪悪感の罠にはまると、いつまでもそこから抜け出せなくなってしまいます。
罪悪感とは、過去に対する憎しみの感情のことを言います。
「あのとき、ああしてればよかったのに。」
「あのとき、ああしてれば絶対にこんなことにならなかったはずだ。」
というのが罪悪感の感情です。
この罪悪感の感情を持ち続けると、自分自身のエネルギーを低下させてしまいます。
そして、最悪の場合、うつ状態になってしまうこともあります。
ですが、罪悪感は許すことで解消されます。
特に、自分自身で許すことを決めたとき、少しずつですが心が楽になっていきます。
ただ、自分を責めてもいい
「あなたのせいではない。だから自分を許そう。」
とは言っても、なかなか自分自身を許すことはできないでしょう。
ですのでまずは、徹底的に自分を責めましょう。
責めて、責めて、これでもかというくらい自分に怒りをぶつけましょう。
そして、その気持ちを忌み嫌うのではなく、そっと眺めましょう。
「あぁ自分にはこんな気持もあるんだな」と。
そして、この気持ちをどのように未来に活かしていくか?を考えましょう。